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BanG Dream! 5th☆LIVE Day2:Roselia -Ewigkeit- に行ってきた

バンドリ5thライブとして2日間開催されたうち、 Roselia の公演だった Day2 の話をする。

今井リサ役遠藤さんのいわば卒業公演である、という事情がこのライブを単なる Roselia の4回目の単独ライブに止まらない特別な物にしていて、実際特別なライブだったのは間違いないのだけれど、決してお別れ会に固執するのではなく、今ここまでの Roselia の積み重ねてきた集大成のライブだった。

1日目を含めてセットリストや発表情報などはこの辺にまとまっている。(1日目の感想にも同じリンクを貼った。)ライブから日が経ったのでふつうのメディアレポート的な物も上がっているかと思いきや意外と上がってこないのは何故なのか、という気もしているけど。
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今回の会場の幕張メッセの展示ホール1-2は広く、1万2000人の収容だというのをMCかどこかで聞いた気がする。1日目ではだいぶ前の方の席だったのでそこまで意識しなかったのだけれど、後ろの方の席だった2日目はその広さ(と残念ながらステージへの遠さ)を改めて感じていた。ステージは遠目にしか見えず、表情や細かい所作はスクリーン(大きいから見えることは見えるのだけどこれも遠い…)に頼るしかなかった。僕が Roselia の単独ライブを見に来るのは去年の6月の1stライブ以来だったので、1stライブの会場はそれはそれで小さすぎたとはいえ、そこから1年足らずで辿り着いた大きな会場は圧巻という感じだった。

おそらく押し気味の進行だったオープニングアクト(こちらについては Day 1 の感想エントリで合わせて触れた)が終わった本当にすぐ直後、唐突と言ってもいいくらいのタイミングでステージに掛かっていた幕にメンバー5人のシルエットが映し出されて ONENESS が始まったのにはちょっとびっくりしてしまった。

今回のライブが遠藤さんにとって、つまり現体制の Roselia にとって最後のライブなのはメンバーも観客も誰もが皆承知の上だったけれど、アンコールの BLACK SHOUT で後任ベースの中島さんが出てくるその直前まで、遠藤さんが Roselia を離れ引退することはステージ上に持ち出されなかった*1。ライブの本編はあくまでキャラクターの物という姿勢を貫き通すという意味でも尊かったし、今回のライブを遠藤さんのお別れ会ではなくきちんと Roselia のライブというエンターテイメントたらしめようとする姿勢としてもすごく大事なことだな、ということを思ったりもした。勿論客席からはいつもより多めに赤いサイリウムが振られて、いつもより多めに遠藤さんへの声援が飛んでいて、あの場にいる誰もがそのことを分かっているのだけど。

Roselia の単独ライブは前述のように1st以来だけれど、それでもこれまでいろいろなところで Roselia のステージを見てきていた。今回のライブでは、節々でいつも以上に今までのライブを思い出す瞬間があった。開幕の ONENESS では B メロで遠藤さんと工藤さんが2人でボーカルを取るところでの照明に初披露のガルパライブを思い出したり、(MC でも言及されていたけれど)カバーメドレーの魂のルフラン => Hacking to the Gate の流れは初ステージだった Poppin'Party のサードライブを思い出すものがあった。前述のようにあくまで遠藤さんの事情を持ち込まないステージではあったけれど、これまでの Roselia を知るぼくたち観客それぞれが、自分の心に焼き付いているいろいろな光景をライブの中で思い出したのではないかなあと思う。

ONENESS の Bメロで遠藤さんと工藤さんが2人で歌う瞬間のステージの上手下手を照らす照明も印象的だった。

ガルパライブ&ガルパーティ!in東京に行ってきた - 平常運転

スマホゲーム用のカバーでハードなアレンジの 魂のルフラン 、初出しの同じくカバーで Hacking to the Gate 、そしてオリジナル曲 BLACK SHOUT の合計3曲。荒削りなところもあったけど迫力あるバンド演奏でめちゃめちゃ驚かされてしまった。

BanG Dream! 3rd☆LIVE Sparklin’ PARTY 2017! に行ってきた - 平常運転


この日のライブで僕は泣かなかった。もしかしたら泣けなかった、かもしれないけれど。
アンコール前に関して言えば、きちんとエンターテイメントだったライブ本編に正しく乗せられていたといえるかもしれない。久々に生で見たワンマンライブでのパワーとボリューム、そして楽曲の力で、思っていた以上に素直にライブを楽しんでいた。僕の見に行ってなかった Roselia の単独ライブである 1st ライブの追加公演や 2nd ライブも映像では見ていたのだけど、それらの映像(やガルパライブ、ハウステンボススペシャルライブといった直近のライブ)と比べても、ステージパフォーマンスのバンドらしさがパワーアップしている様はひしひしと感じられた。
そうそう、本編最後が HEROIC ADVENT だったのは少し特別さがあったのかもしれない。素直にセットリストを組むならシングルのA面曲で本編を締めてもよさそうだったところ、「声を聞かせて」と観客を煽り、そして間奏部で実際に観客だけに歌わせたこの曲を本編最後に持ってきたのは、僕には特別な意図があるというように感じられた。全然そういうこと関係ない選曲かもしれないけど!!!
アンコールでは、 BLACK SHOUT での中島さんの登場や最後の挨拶、陽だまりロードナイトと、遠藤さんを送り出すことを流石に色濃く意識させる展開だったけれど、雰囲気に流されてもらい泣きしやすいぼくの割には不思議と泣く気持ちにはならなかった。遠藤さんが笑顔でステージに立ち通すのを見て、見てる我々が泣いてては意味が無いなと思った……というのはある。ただ、遠藤さん本人が笑顔で Roselia として最後のステージに立つ姿と、対照的に Roselia メンバーが涙を流して最後のステージを惜しむ様子は、リアルバンドの Roselia がこれまで築いてきた絆をよく表していたと思うし、いろいろなことに思いを馳せる光景だった。特に挙げるなら工藤さんで、キャラクター氷川紗夜でもなければ普段の"くどはるさん"でもなく、外聞を取り繕うこともせずボロボロ泣きながら最後の挨拶をする等身大の工藤さんの姿は、ヘタをすれば遠藤さんよりも、と言えるくらい記憶に強く残っている。

今回のライブの Ewigkeit(永遠)というサブタイトルは、ライブ前はメモリアルなタイトルをつけたなあくらいに思っていたのだけれど、ライブを経て思い返すと様々な気持ちになる。遠藤さんの引退が発表されるまで、ぼくたちは Roselia が今(当時)の形でなくなる日が来るとは想像もせず、永遠のように思っていたかもしれない。また、一つの"終着点"でもあり新しい Roselia がスタートラインに立つ儀式でもあった今回のライブは、流れていって変化していく時間の中の存在で、永遠という単語とは全然相容れない存在じゃないか、というようなことも思ったりした。
その上で、今回のライブはなんで"永遠"なのかというと、この日そのものが永遠に続くのではなくて、この日を大事に記憶に留めておこうということなんだな、と、遅ればせながら思っている。

ライブの最後の遠藤さんの挨拶を聞きながら赤いサイリウムを振りながら思ったのだけれど、ステージの上から見た景色のほんの何千何万分の一であっても、遠藤さんを送り出す場、景色をつくることができたのは(自己満足だとしても)良かったと思う。願わくば遠藤さんにとっての良い思い出の一助となれていれば、というような気持ちでいる。

そうそう。アンコールの BLACK SHOUT で、曲の前に相羽さんが「今の私たちにしかできないことをやる」というようなことを言っていたはずで、これはきっと新メンバーを交えた何かをやるのだろうとは思ったのだけれど、ラストのサビの前で曲が一旦止まって逆光の中に実際に中島さんがベースを持って登場するシーンは、実際の空白時間以上に長く、息を詰めて待つ瞬間だった。そこまで引退をまだ100%実感できていないくらいの気持ちだっただけに、あの息を詰めて見守る中で、"もう一人のリサ"が登場する瞬間は、儀式めいた緊張感と、リサ役の交代に間違えようのない現実感をもたらす物だった。

まとまらない気持ちをまとまらないまま書いていたけどこの辺にしておこうと思う。何度も書いてきたように、 Roselia にとって大切な節目になるライブだったし、エンターテイメントの質としてもここまでの大きな集大成だった。遠藤さんが Roselia を(そして芸能界を)離れることは寂しいけれど、今度は新しく中島さんが加わったことで、リアルバンドの Roselia も、そしてキャラクターとしての Roselia もまた変化していくだろうと思う。その変化をまた楽しみにして、新生 Roselia新たな姿を応援していけたらいいなと思う。

1日目の感想はこちらでした:

astj.hatenablog.com

*1:なんなら中の人丸出しの余興VTRですら、そういう気配を一切見せずに現 Roselia メンバーがわちゃわちゃしていた